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ヒ素 吸着触媒
品番 F-07, F-08
品名 Nano 二酸化マンガン(ヒ素吸着触媒)
塩酸処理品 F-07, 硫酸処理品 F-08
亜ヒ酸の除去触媒
Technical information
ヒ素による天然水の汚染は、主として地質成分に起因するものが多く、バングラディシュやベンガル,西インド,中国,タイ,東欧,北欧,中南米,およびアフリカの一部などでも報告されている世界的な環境問題です。日本は良質な水資源に恵まれた世界でも類い稀な国であるために、天然水が含むヒ素の問題は、あまり身近な問題として認識されていないのが現状です。しかしながら、安全な水に対する需要は今後益々高まることが予想されており、近い将来、安価で高効率にヒ素を天然水から除去する浄水技術には大きな需要が見込まれます。
天然水からヒ素を除去して飲料水をつくるにあたっては、天然水に鉄塩を添加してヒ素を共沈させる手法が用いられてきました。しかしながら、同法の浄水プロセスには含水率の高いヒ素を含んだスラッジが大量に発生するという欠点が有ります。また、世界保険機構WHOのヒ素に関する飲料水中基準値: 0.01mg/Lをクリアできる高度浄水処理のためには、ヒ素に対する選択性と吸着容量が高い吸着剤を用いた浄水法が期待されています。従来、アルミナ吸着剤が知られていますが、水にヒ素以外の多成分が溶けている場合にはヒ素に対する選択吸着性に優れる酸化マンガン系の吸着剤が期待されます。以下、FSLの酸化マンガン系ヒ素吸着剤の優れた特性を示しました。
下の左表に示した様な、多種成分を含む天然の塩水中のヒ素濃度が本吸着剤の添加と攪拌の結果、右図に示した様に数分のうちに0.1ppmまで減少し、最終的には0.01ppmをクリアしていることがわかります。(試験に使った天然水1 Lに対して0.7 g の吸着剤粉末を添加)
イオン交換純水中のヒ素の吸着飽和実験から、本吸着剤のヒ素吸着容量は40〜50 mg/ gであることが明らかにされている。また、ヒ素吸着のpH依存性を下図に示した。横軸は吸着試験における平衡pH、縦軸は分配係数(液相から固相へのヒ素の移動度、すなわち吸着性)を示す。同結果から本吸着剤に対するヒ素の吸着反応が、酸性からアルカリ性の広い範囲に渡って有効に生じていることがわかります。
酸化マンガンは、河川水からマンガンイオンを除去するために既に各地の浄水場で長い間使用されてきた実績のある物質です。近い将来、世界各地においてFSLのヒ素吸着剤が天然水の浄水プロセスに応用されることが期待できます。
日本国特許:P03P000381:ヒ素吸着性のマンガン化合物とヒ素吸着並びに水溶液中ヒ素の吸着除去方法・古屋仲秀樹・JST・2002 年3月26日
US Patent US7335622B2:Manganese oxygen compound with arsenic sorbability, Arsenic adsorbent, and method of adsorption and removal of arsenic in solution. Hideki Koyanaka、Toshihiro Kasai・JST・Date of patent Feb. 26, 2008